味噌の豆知識
味噌の分類
原料から見ると左の3種類+調合味噌
米味噌 | 甘味噌 | 白・赤 | 近畿各府県、岡山、広島、山口、香川、東京 |
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甘口味噌 | 淡色・赤 | 静岡、九州、徳島、その他 | |
辛口味噌 | 淡色・赤 | 関東甲信越、北陸その他全国的に分布、関東甲信越、東北、北海道その他全国 | |
麦味噌 | 甘口味噌 | 九州・四国・中国地方 | |
辛口味噌 | 九州・四国・中国・関東地方 | ||
豆味噌 | 中京地方(愛知、三重、岐阜) |
辛さ加減は食塩と麹歩合によるもの
「甘口」「辛口」など、味噌は辛さによっても分類される。辛さを決めるのは、もちろん塩分ですが・・同じ塩分量でも甘いものと塩辛いものが出来ます。その秘密は「麹歩合」にあります。
麹歩合とは・・・大豆に対する米や麦の比率の事米や麦に含まれるデンプンが麹菌という単糖類に変わります。これが味噌を食べたときに感じられるほんのりとした甘さの素。すなわち塩分一定なら麹歩合の多いもののほうが甘口になるということです。
色の違いは発酵熟成中に起こるメイラ−ド反応
味噌の色は大きく分けると3種類あります。先ず、赤味噌と呼ばれる赤みを帯びた褐色の味噌で仙台味噌や、江戸味噌がこれに当たります。次に信州味噌に代表される黄みを帯びた淡色の味噌。最後に京都の白甘味噌に代表される白味噌と呼ばれるクリ−ム色の味噌。
味噌の色の違いはどうして起きるのでしょうか?原料のたんぱく質やそれが分解してできるアミノ酸は糖と反応して褐色に変化します。そしてこの反応は原料や成分の違いにより起こり方が異なります。
白味噌は大豆を蒸さずに煮ます。すると糖などの水溶性成分が外に溶け出し熟成の際の褐色かが抑えられます。一方赤味噌は大豆を長時間蒸煮しますのでたんぱく質が熱変性して酵素による分解が促進されるため、濃い赤い味噌になります。さらに赤味噌は長時間寝かせ、その間1〜2回天地返しして空気にさらしますが、白味噌は短期で熟成させ着色を防ぐため天地返ししません。このような理由で同じ大豆から色の違う味噌が出来ます。
それでは地域別に特色見てみましょう
北海道地方 | 北海道は味噌が本格的に造られるのは明治時代に開拓が始まってから。出身が様々な人の好みに合わせられた工夫がされたため、癖のない万人向けの辛口米味噌 |
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東北地方 | 気候が厳しい東北地方では味噌造りは飢饉に備える大切な仕事でした。東北の各県は特に味噌との関わりが深く今も昔の国名や判明を漬けた味噌が造られています。赤色 辛口の米味噌 但し麹歩合はまちまち。 |
関東地方 | 気候的に恵まれているので味噌への依存度低い地域。北関東の一部に麦味噌。東京に甘口の米味噌があるが、関東一円は辛口の米味噌。 |
甲信越地方 | 東北地方と並んで味噌との関わりの深い地域 上越味噌 佐渡味噌と製法は異なりますが赤色で辛口の味噌が多い。長野は淡色で辛口の米味噌。生産量は全国の約4割を占め全国に流通しています。 |
東海地方 | 静岡は米味噌圏 白味噌と辛口淡色味噌との中間の(アイジロ)相白味噌があります。愛知・三重・岐阜の三県では大豆と食塩を原料にした豆味噌が造られています。味噌の中ではたんぱく質をもっとも含んだ栄養価の高い独特の旨みを持った色の濃い味噌。 |
北陸地方 | 北陸は東北と関西の接点。味噌も両方の特徴を持った淡色で辛口の米味噌が造られています。富山や能登には水分の多い赤味噌。石川には加賀藩の軍糧用として発達した赤味噌福井には京都の影響を受けた多少甘めの赤味噌があります。 |
関西地方 | 関西地方も米味噌圏ですが同じ米味噌でも色の白い甘口のもの。関西にはお粥を常食とする地帯、朝食にみそ汁を飲む習慣がないので味噌の食べ方も他の地方とは全く違います。白味噌は長い間贅沢品と考えられ、今でも正月の雑煮は白味噌で作られています。 |
四国地方 | 四国地方は米味噌圏ですが、麦味噌も造られています。瀬戸内海側やや白色太平洋側やや赤色の味噌ですが共に麹歩合が高く甘口。 |
中国地方 | 中国地方は大体が米味噌圏ですが、九州に近い瀬戸内側では麦味噌が造られています。米味噌は日本海側は淡色の辛口、瀬戸内側は白色の甘口とタイプが異なります。 両方が交わる広島はこの地方を代表するみそ県で米味噌麦みそ両方が造られます。 |
九州・沖縄地方 | 九州は麦みその生産地福岡の付近では米味噌も造られます。米と麦の合わせ味噌も多く造られる麦みそも米味噌も温暖な気候のため、熟成期間が短く甘口のものが多いです。色は淡色から濃くても淡赤色までに限られます。 |